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      あの看守が彼の顔にパンチを食らわせたことを思い出し、気を失っていたに違いないと思った。どれくらいの間かはわからない。起き上がると、深く息をし、ソアは恐ろしい夢の記憶を払いのけようとした。あまりにも現実的だった。現実でないことを、王が亡くなってなどいないことを願った。死んだ王の姿が頭から離れなかった。ソアは何かを見たのだろうか?それともただの想像だろうか?

      ソアは誰かが足の裏で自分を蹴っているのを感じ、見上げると目の前に立っている者がいた。

      「そろそろ目を覚ましても良い頃かと思って。」声が聞こえた。「何時間も待っていたんだ。」

      薄暗い光の中で、ソアは十代の少年の顔を見た。自分と同じぐらいの年頃だ。痩せて背が低く、頬はこけ、あばた顔だった。それでも緑色の目の奥には何かしら親切で知的なものが感じられる。

      「僕はメレク。」彼は言った。「君の刑務所仲間だ。どうしてここに入れられたんだい?」

      ソアは気持ちを引き締めようと、身を起こした。壁にもたれかかって髪を手ですきながら、思い出し、すべてを整理しようとした。

      「みんな、君が王様を殺そうとしたって言ってるよ。」 メレクがしゃべり続けた。

      「そいつは本当に王を殺そうとしたんだ。ここから出ようものなら八つ裂きにしてやる。」とげとげしい声がした。

      ブリキのカップを金属の柵にぶつける、ガチャガチャという音が一斉に起こった。廊下に沿ってずっと監房があるのが見えた。ソアは、不気味な外見の囚人たちが柵から頭を突き出し、チラチラと明滅するたいまつの灯りの中で自分に向かってニヤニヤ笑っているのを見た。ほとんどの者がひげも剃っておらず、歯は欠けていた。中には、何年間もここに暮らしているように見える者もいた。恐ろしい光景だった。ソアは思わず目をそむけた。本当に自分はここに入れられたのか?この者たちと一緒にずっとここにいることになるのだろうか?

      「あいつらのことは気にしなくて良いよ。」メレクが言った。「この監房には君と僕だけだからね。あいつらが入って来ることはできない。君が王に毒を盛ったのだとしても僕は気にしない。僕がそうしたいくらいだからね。」

      「僕は王に毒を盛ったりなんかしていない。」ソアは憤然として言った。 「誰にも毒を盛ったりなんかしない。僕は王を救おうとしたんだ。ただ王の杯を払い落としただけなんだ。」

      「どうして杯に毒が入っていたってわかったんだよ?」聞き耳を立てていた者が通路の向こうから叫んだ。 「魔法かい?」

      皮肉っぽい笑い声が廊下のあちこちから一斉に響いてきた。

      「霊能者だ!」誰かが嘲るように叫んだ。

      他の者が笑った。

      「いや、ただ運よく当たっただけだろうよ!」別の誰かが大声で言うと、皆は大喜びだった。

      ソアはにらみつけた。こうした非難を嫌い、きちんと正したかった。だが時間の無駄だろうということもわかっていた。それに、この犯罪者たちを相手に自分を弁護する必要もなかった。

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